日本人の死亡原因の1位はがんによるものですが、その中でも胃がんの占める割合は多くを占めています( 2017年の統計では男性は1位、女性では4位でした。 )
一方、胃がんは早期に見つかれば95%以上が治癒するといわれている、治療成績の良いがんでもあります。ただし、早期の段階では自覚症状が出にくいので、早期発見・早期治療のためには、症状がなくても定期的に胃がん検診を受けることが重要となります。
胃がんの原因のほとんどがピロリ菌の感染であることがわかっています。ピロリ菌の感染が確認された場合、除菌治療を受けることで、ある程度胃がんを予防することが可能です。
また、飲酒者や喫煙者を中心に最近増加している食道がんは、発見が難しく、5年生存率は胃がんの64.6%に対して、食道がんは37.2%です。
当センターでは1996年4月~2017年3月に197例の胃がんと、33例の食道がんが発見されており、2010年以降では、胃がんの94%、食道がんの77%が早期がんです。
胃カメラを受けることにより、自覚症状のない早期胃がんや食道がんを診断することができます。また、検査の結果、慢性胃炎などの変化があればピロリ菌の感染診断(血液中の抗体検査など)を行ない、感染が確認された場合、当院で除菌治療まで行うことができます。
胃エックス線検査(バリウム検査)で異常を指摘された方は、必ず胃カメラを受けましょう。カメラで観察することで、病変を直接観察することができ、悪性の疑いがあるときなどは組織を採取し、がん細胞の有無を調べることができます。
また、胃バリウム検査で異常を指摘されたことのない方も、平坦型の胃がんや食道がんなどはバリウム検査では見つけづらいため、定期的に胃カメラを受けるのがオススメです。
当院では富士フイルム社製の最新鋭の経鼻用スコープを使用し、内視鏡専門医が精度の高い検査を行っています。経鼻内視鏡の利点は、従来の口からの内視鏡と比較し、「おえっ」とくる嘔吐感が少なく、苦痛が少なく検査を受けることが可能です。経鼻内視鏡を経験した方へのアンケートでは、97%の人が「 次回も経鼻内視鏡を選ぶ 」と回答しました。
鼻が狭くてスコープが通らない方などは、口からの挿入に切り替える事も可能です。また、細い経鼻内視鏡検査でも、喉や鼻が敏感な方は苦痛がある場合もありますので、その場合には鎮静剤を適時使用して、苦痛少ない検査を行うよう心がけています。
当院の外来を受診してください(外来表参照、担当の消化器内科外来に来られない場合はその他の曜日でも受け付けます)。胃カメラ検査する日を予約いたします。また、検査の前日や当日の注意事項の説明を致します。現在飲んでいるお薬がすべてわかるように一覧表やお薬手帳をお持ちください。
検査項目 | 2018年度 | 2019年度 |
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上部消化管内視鏡検査(胃カメラ) | 5,013件 | 5,133件 |
大腸内視鏡検査(大腸カメラ) | 486件 | 562件 |