近年、日本では大腸がん、大腸ポリープ、大腸炎といった腸の病気が増えています。
日本人の死亡原因の1位はがんによるものですが、その中でも大腸がんで亡くなる方は多くを占めています ( 2017年の統計では女性は1位、男性では3位でした。 )
一方、大腸がんは早期に治療を行えば完治が期待できるため、検査により早期発見することが極めて重要となります。
当センターでは、1996年~2017年3月に155例の大腸がんが発見されており、2010年以降では、74%が早期がんで、50%が開腹手術をせずに内視鏡で治療を完了しています。
大腸がん検診では40歳以上の方を対象に年1回、便潜血検査を行います。
大腸がんや大腸ポリープでは、病変の表面が自然にくずれたり、便にこすられることにより、少量の出血をきたすことがあります。このような自分では気づかない少量の出血も検出できるのが便潜血検査です。しかし、病変からの出血は常時起こっているわけではありませんので、検査結果が陽性になったからと、精密検査のかわりに便潜血検査を再度行うことは意味がありません。
便潜血検査陽性の方は、大腸内視鏡検査による精密検査を受けましょう。
便潜血検査が陰性であっても、大腸がんやポリープが全く無いとは言い切ることは出来ません。たとえ進行大腸がんがあってもその約30%は便潜血検査が陰性と言われています。
大腸ポリープは40歳ごろよりできはじめることが多く、大腸がんの死亡率は男女とも50歳から急増してきます。大腸がんは、ポリープが大きくなる過程で発生することが多く、早期にポリープを発見し切除することで、大腸がんを予防することが期待できます。
よって、大腸内視鏡検査を人生で1度も受けたことのない方は、便潜血検査が陰性であっても、50歳を過ぎたら最低1回は大腸内視鏡検査をうけることをおススメします。
患者様の年齢や体格に合わせて鎮静剤(リラックスできる薬)を使用し、内視鏡専門医が苦痛の少ない、安全で確実な検査を行っています。
通常は大腸の中に空気を入れて検査を行いますが、当院では空気のかわりに炭酸ガスを使用しています。炭酸ガスはすぐに吸収されますので、検査中および検査後のお腹の張りが少なく、楽に検査を受けて頂くことができます。
また、治療可能な大腸ポリープは、検査当日に切除(日帰り手術)することも可能です。
消化器外来を受診してください(外来表参照)。大腸内視鏡検査する日を予約いたします。また、検査の準備(検査食、下剤等のお渡し)や注意事項の説明を致します。現在飲んでいるお薬がすべてわかるように一覧表やお薬手帳をお持ちください。
検査項目 | 2018年度 | 2019年度 |
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上部消化管内視鏡検査(胃カメラ) | 5,013件 | 5,133件 |
大腸内視鏡検査(大腸カメラ) | 486件 | 562件 |